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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第5章 カイさんの誕生日
「おいしい?」
カイさんが、私を見つめる。
「はい、美味しいです…。」
うん、うんと頷くと、私の髪を触りながら
「もっといる?」
ん!?といった感じに首を傾けながら、私に聞いてくる姿が、すごく可愛い。
「じゃ、ワッフルをちょっと貰ってもいいですか?」
「いいよ。」
そう言って、ワッフルを一口サイズに切ってくれる。
そのワッフルをフォークに刺すと、私の口元に近づけた。
ちょっと照れながら、口を開けると、カイさんがクスッと笑って、ワッフルをパクッと食べてしまった。
「あげないよー♪」
そう言ったカイさんは、すごく楽しそうだ。
何だかすごーく、恥ずかしい私…。
「…意地悪だぁーっ…。」
私がボソッと言うと
「うそ、うそ!はい。今度こそ、ねっ♪」
と、ワッフルを私の口元に運んでくれた。
カイさんと瞳と瞳が合う。
ちょっと長めのフワフワな前髪が、片目にかかっている。
いつもの優しい瞳が、黒髪の間から覗いていた。
「フフッ。ナギちゃんて、面白い子やね。」
カイさんは、そう言っていつも以上に、優しい優しい笑顔を私にくれた。