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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第21章 ラストデイ☆待ってるから!

「じゃ、行くね。」
海音がスーツケースを持って歩き出す。
私も一緒に海音と後ろを振り返り希に手を振る。
エスカレーターに乗り希の姿が見えなくなると、海音が寂しそうな顔をしていた。
何も言わずに海音の手を握ってホームに行く。
来た電車に乗って、新横浜を目指す。
あと少しで、海音が行ってしまう。
新横浜に近付くほど、2人は無口になっていった。
握った手に力がこもる。
ずっとこのまま握っていたいのに…。
海音も今同じ気持ちなのだろうか?
横浜駅で乗り換えの為、電車を降りる。
「海音、新幹線で食べたり飲んだりする物、なんか買う?」
「ううん。いらない。大丈夫…。」
海音が無理に笑っているのが分かって、私も切なくなってくる。
「じゃ、行こうか。」
次の電車に乗ると、海音がまたギュッと手を握ってきた。

