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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第6章 お泊まりは突然に

…頭がパニックになる。


私が何も答えずにいると、カイさんが私の瞳をじっと見つめて

「俺とキスしたい?」

もう一度静かに聞いてきた。

「さっき塩辛食べたけど、平気ですか?」

カイさんは、塩辛が苦手なので何となく聞いてみる。

「俺もさっき煙草吸ったけど平気?」

私はこくっと頷く。

「カイさんが嫌じゃなければ、したい…。」


私がそう言うと同時に、カイさんの顔が近づいてきた。


ドキドキしながら瞳を閉じると、カイさんの唇が私の唇と重なった。


頭の後ろの手に力が入る。

顔の角度を変えて、何度もキスをする。


ふと、道路を走る車のライトが気になって、カイさんの胸を軽く押した。

「カイさん、ここだと目立つから…。」

唇を離してカイさんに伝えると、無言で私の手を引き、足早に歩き出した。

少しそれた静かな場所に着くと足を止めて

「ここなら平気?」

そう言って、ギュッと私を抱き締めた。

私は背が低いので、カイさんの胸のあたりに顔が埋まる。


“…あったかい…。”


カイさんの心臓の音…。


腕が緩むと、優しい声が耳元で聞こえた。

「顔上げて…。」

両手で私の頬を挟むと、上を向かせる。

熱い瞳が私を見つめている。


カイさんが優しく微笑む。

さっきのキスの続きが欲しくて、私は静かに瞳を閉じた。
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