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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第6章 お泊まりは突然に
カイさんのお家は、まだ新しい感じのマンションの最上階だった。

「あまり綺麗じゃないけど、どうぞ。」

カイさんが中へ案内してくれる。

間取りは1LDK。

1人にしては広い作り、家具もほとんどなくスッキリしている。

「綺麗にしてるんですね。」

「そうかな?物がないから片付いてるように、見えるだけだよ。」

そう言ってカイさんは、キッチンへ行く。

お茶の入ったコップを私に渡してくれる。

「お互い酔いすぎたからね。酔い覚まし。」

喉が乾いていたので、私はゴクッとお茶を飲み干す。

「ごちそうさまです!」

空になったコップを渡そうとすると、その腕をカイさんに引っ張られ、そのまま床に押し倒された。

冷たいお茶で落ち着いた体がまた、急激に熱を帯びる。

上から私を見下ろすカイさんの瞳は、すごく潤んでいる。

私を見つめたまま、私の頬を優しく何度も撫でる。

その指がスーッと私の唇に移動してゆっくりとなぞる。

「渚って呼んでいい?」

「はい。」

返事をして、私からカイさんの首に腕を回すと、カイさんの体が私の上に重なった。
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