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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第10章 希サプライズ☆ドキドキのテニスイベント

テニスコートに着くと、他の常連さん達が待っていた。

コートでは、順番にペアを組んで、試合というよりは、打ち合いをして、楽しんでいた。

穏やかでマッタリとした時間が過ぎていく。


「カイー!渚と一緒にやってー!」

希が突然喫煙ゾーンで、煙草を吸っていたカイさんを呼ぶ。

「わかったー!待ってて。」

遠くからカイさんの声が聞こえた。

私は希に近づくと

「さっきから、何?わざとらしいんだけど…。」

希の腕をつかんで言う。

「えっ?なんの事?」

希は遠くを見るふりをして、知らなーいといった顔をする。

そんな私達の所に、カイさんがやって来た。

「フフッ。2人共、仲良しだね。」

「はいっ、ラケット。渚、全然テニス出来ないから、教えてあげて!」

希はラケットをカイさんに渡すと、私にニヤッと笑って、煙草を吸いに行った。


「俺も教える程、出来ないけど。」

「いやっ、私よりはきっと出来ると思いますよ。」

テニスコートに戻ると、向こうのコートから、ボールが飛んでくる。

「ナギちゃん、良く見て!頑張れ!」

カイさんが声を掛けてくれる。


ポーン。


私が打ったボールは、どうにか向こうのコートまで届いた。

「おっ!届いたやん!やったー!」

カイさんが、右手を出して、ハイタッチをしてくれる。


“この感じ、いいなー。すごく楽しい!”
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