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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第10章 希サプライズ☆ドキドキのテニスイベント

「カイさん、私サーブが出来ないんですよ。打ってもらってもいいですか?」

「いいよ。」

カイさんにボールを渡す。

カイさんのサーブ…


フワッと上にあげたボールを、スパーンと打つカイさん。

そのフォームに、横顔に、チラッと見えた腕の筋肉に……。


“かっ、かっこよすぎるぅーっっっ!!!”


その姿に私の心拍数は、急上昇した。


「ナギちゃん、ちょっと体に触れていい?」

「えっ!?」

突然のカイさんからの一言にドキドキしていると、後ろから私の腰と手にカイさんの手が触れる。


ドキドキ…


「体はこっち向き、ラケットはこう握って…」

カイさんが打ち方を教えてくれている。

でも、私はそれに集中出来ない。

だって…カイさんの息が耳にかかり、体温を後ろから感じ、触れる腰や手があの夜のカイさんとの記憶を思いださせるから…。

「わかった?」

斜め後ろのカイさんを見上げると、優しく私を見下ろしていた。
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