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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第11章 ソイフレ?(添い寝フレンド)

ベッドに近付くと、カイさんが私の腕を引っ張って、布団の中に引きずり込んだ。

次の瞬間、私の体はカイさんの腕の中にスッポリと包み込まれていた。

「渚、あったかくて柔らかい。気持ちいい。」

私を抱き締める腕に力がこもる。

「何かホッとする。」

カイさんの心臓の音…。

カイさんの体温…。

カイさんの匂い…。

すべてを感じられて、幸せを感じる。

「渚…。」

「…ん?」

カイさんの胸に、顔を埋めたまま返事をすると、カイさんが少し掠れた声で


「キスしていい?」


そう聞いてきた。

私がコクンと頷くと

「こっち向いて…。」

静かに聞こえるカイさんの声。

たまらず顔を上げると、いつもの優しい瞳のカイさんが、私を見つめていた。

「今日は忘れないでね。」

「忘れない。」

そう言って、私の唇にカイさんの唇がソッと触れた。

唇が離れるとカイさんは、私をまたギュッと抱き締める。

優しく優しく髪を撫でて

「これ以上したら、止まらなくなっちゃうから、今日は我慢するっ。」

カイさんは、そう言って私のおでこにチュッとキスをおとした。
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