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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第13章 誕プレデート☆横浜

シーバス乗り場でシーバスを待つ。

天気はいいけど、風が強いため海音の帽子が飛びそうになる。

海音が帽子をとると、フワフワな黒髪が、風になびいてファサッと揺れる。

「海音のフワフワな髪好き。」

少し乱れた海音の髪を触ると

「本当はストレートなんだよ。」

と海音が言った。

「え?知らなかったー。」

パーマがかかった海音の髪。

ストレートだとどんな感じになるのか、想像がつかない。

どっちにしても、格好いいんだろうけど。


「風吹くと、ちょっと寒いね。」

そう言って海音が、私の手を握って自分の方へ引き寄せた。

目の前で揺れている水の流れを見ながら、2人でシーバスを待つ。

少しの沈黙…。

海音がギュッと私の手を握る。

あったかい…。

言葉がなくても、こうして伝わる体温に幸せを感じる。

穏やかに時間が過ぎるのを感じた。


「あ!シーバスきたよ。」

「段差、気を付けてね。」

手を握ったまま、海音が声を掛けてくれる。

せっかくなので、窓際の席に海音に座ってもらう。

シーバスが動くと、桜木町あたりやら、横浜の観光名所がたくさん見える。

「夜やったら、もっと綺麗やろうね。」

外を眺める海音の涼し気な横顔と、オシャレな街並み。

それは写真で撮っておきたい程、綺麗な光景だった。

「海音は、中華好き?」

「うん。好きだよ。」

お昼は中華街に、行こうと思っていたので安心した。

「山下公園歩いて中華街でランチにしよう。」

「神戸にも中華街あるんだよ。本当に似てるんやね。」

海音が育った神戸。

いつか私も一緒に行けたらいいなー。
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