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ドアの向こう〜君に逢いたくて〜
第13章 誕プレデート☆横浜
「ホントありがと。もう大丈夫だから。」
私が海音を見上げて言うと、海音も優しく微笑んでくれた。
「じゃ、行こうか。」
海音が私の手をとると、ベンチから立ち上がった。
すっかり暗くなった海を横目に、私達は桜木町方面へ向かった。
幻想的に見える赤レンガの光景が、徐々に近付いてくる。
更に奥に見える観覧車の光がキラキラと光っている。
「夜の横浜は、綺麗やね。」
「ね、海音!観覧車乗って夜景見よう!きっと、もっと綺麗だよ。」
「いいね!観覧車なんて久しぶりだよ。」
赤レンガを通り過ぎ、私達はコスモワールドへ向かった。
コスモワールドは、小さな遊園地で、観覧車の他にもお化け屋敷やジェットコースターもある。
今日は土曜日という事もあり、観覧車待ちの列は長い。
待っている間に、私は海音にコスモワールドの観覧車について話す。
「ね、海音!ここの観覧車のジンクス知ってる?」
「なんかあるの?」
「うん!実はね60台あるゴンドラの中に、1台だけ紫色のゴンドラがあるの。」
「へぇー、そうなんや!」
「そのゴンドラに乗ると幸せになれるんだって!」
「ほんまに?」
私が瞳をキラキラさせながら、少し興奮気味に言うと、海音はフフッと笑った。
「信じてないでしょ。」
私が拗ねて言うと
「これ以上幸せになったら大変やね。」
と私の肩を抱き寄せる。
「それとも、今は幸せじゃない?」
そう言って私の顔を覗き込む。
「海音とデート出来るだけで、幸せだよ…。」
恥ずかしくて、俯きながら小声で答える。
「俺もだよ。」
海音がそう言ってくれたのが嬉しくて、海音の腕にしがみついて顔を隠した。