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隣の日常
第2章 下着泥棒
 体育祭のとき下の学年の女子からもキャーキャー言われるようなイケメンの立川がさ、気味の悪い笑顔浮かべてそんな話するんだ。

 俺さ、なんとかして話を変えたくてさ。
 きっと嘘だろう、立川の妄想だろう、なんて思って、こう言ったんだ。

「ウソつけぇ」って、シンプルに。

 そしたら立川があからさまにムッとして。
「ほんとーだ!」って声を荒げたんだ。
 で、おもむろにズボンからシャツの裾を引っ張り出して、「ほら!」つって、腰んとこから下着を摘んで見せたんだ。
 

 俺、息を飲んだね。


 確かに、立川は女物の下着を穿いてた。
 立川が好みだって言った、白地にレースがついてるような・・・・あ、ちょうどお前みたいな高校生とか若い子が穿きそうなデザインのやつな。
 立川の健康的な浅黒い肌に白いパンティがキチキチに食い込んでた。


 俺もう言葉が出てこなくて、黙ってた。
 そんな俺を立川は満足げに見つめて微笑んでたね。
 言葉にならないレベルの変態なくせに、そんな時でも立川はやっぱり悔しいくらいのイケメンだったわ。




 文化祭?
 あぁ、大成功だったよ。
 なにしたんだったかなぁ。
 やっぱ思い出せないんだけど、終わったあと立川が泣いて、その涙見てみんな感動して泣いたんだ。
 立川は人気者のくせに裏方に徹して、クラスのみんなのために走り回ってたからさ。
 それが余計にかっこよかったんだ。
 だから、立川が泣いてるのを見てみんな感動したわけ。

 でも帰り際、閑散とした校内のトイレで立川とバッタリ鉢合わせたときに「見ろよ、今日もつけてたんだ」とか言って、真っ赤な目ぇした立川がシャツとTシャツ捲り上げてブラジャー見せてきたんだからもう、俺には何がなんだかもう分からなかったよ。 

 
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