この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Memory of Night 番外編
第2章 Episode of YOI

「なんで……!?」

 つるんと口をついて飛び出す言葉。
 明はくすくす笑っていた。
 愛美は両手で携帯を握りしめ、身を乗り出すようにして耳に押し当てる。

「あいつ、やっと携帯買ったらしくて。愛美にあげる。あ、あたしが教えたことは内緒ね、アド教えていいか聞いてないから」
「でもそれじゃあ……」
「大丈夫大丈夫」

 明はそう笑い飛ばして、ふいに声色を変えた。

「……言いたいこと、結局言えずに引っ越しちゃったんでしょ? もやもやしたままってなんか嫌じゃん。……今さらっていやあ今さらだけどさ。メールで伝えてみれば? 愛美の気持ち」

 諭すように言われ、愛美は押し黙る。
 思い返せば明には勉強や友達のこと、恋愛のことなど、いろいろな相談をした。
 それでも一つだけ、どうしても打ち明けられない秘密があった。
 二年たった今でさえ、目を閉じれば蘇る。漆黒の髪と、灰色の瞳。
 まるで瞼の奥に焼き付いてでもいるかのように、鮮明に思い出すことができた。
 愛美はもう一度画面の中のアドレスを見つめた。
 指先で、ローマ字の上をゆっくりとなぞる。
 ――taigayoi。シンプルなそのアドレスの持ち主であり明が勧めるメールの相手は、愛美の初恋の男だった。
/311ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ