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闇夜の仕置人
第1章 浅田 涼子

レイカが現れた夜が明けて。
数時間だが、事件から初めて夢も見ずに眠れた涼子は久しぶりにリビングに降りてみた。
ずっと部屋に篭り、親とも顔を合わせなかった涼子に、母親は戸惑いながらも少し微笑んだ。
警察から連絡を受けて、病院に駆けつけた時の涼子は死んだような目をしていたが、窶れて痩せていたものの、今の涼子の目には小さな光が灯った気がした。
お腹が空いた、と言う涼子の言葉に、母親は急いで食事の用意をした。

以前の私でも、食べきれないよ…と苦笑する涼子の目の前には、彼女の好物がテーブル一杯に並べられていた。
好きなだけ食べて、と涙ぐむ母親…起きてきた父親もやっぱり半泣きの表情になる。
とても心配かけていたんだな…と涼子は改めて両親の愛を感じて、申し訳無さとその温もりに涙が溢れそうになった。
久しぶりの家族の揃った食卓で、父親は控え目に来週引っ越す事が決まった、と話した。
涼子は黙って頷くだけだった。

周囲の好奇の視線は容赦なく、両親も辛い思いをしてきたことは涼子にも分かっていたから…


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