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その恋を残して
第7章 眠り姫……か
蒼空と怜未がクラスに来てより三週目は、割と平穏な日々となった。前の週の蒼空の態度は、少なからず気になってはいた。
だけども、この週の初めに話した蒼空は、別段変わった様子もなく俺を安心させた。
怜未にしても、素直でない面は相変わらずであったが、概ね好意的に接してくれている。そして、朝晩のコンビニと学校の往復を、蒼空と同様に俺と歩いてくれていた。
俺と彼女たちの仲に、これといった進展は無い。でも、今はそれでいいと思う。携帯の番号を交換したり、互いの誕生日を聞き合ったり、その他にも血液型とか趣味の話とか、そんな平凡なやり取りをしたりして。
それらは、とても凡庸なことだが、そんなことこそ今は新鮮だと感じられた。
しかし、そんな平穏が崩れたのは、この週の金曜日のこと。