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第7章 眠り姫……か

「昨日の夜から……？」

　俺は只ならぬ状況を聞き、心をざわめかせる。

　そうした時に、そう口にすることに迷いはなかった。

「お願いです。俺を蒼空の元に、連れて行ってください」

　しかし――

「駄目だ」

　誠二さんは冷たく言い放った。

「どうして……？」

「身体には特に異常はみられない。そうなると、精神的な部分に原因がある可能性を考えなければならない。特に蒼空の場合は、そうだ。つまり僕は、キミとの関係が何らかの要因になっていると疑っているんだよ」

「俺との関係……」

「松名くん。キミは怜未に、関わったんじゃないのか？」

　怜未に関わらないでくれ――俺は誠二さん、そう言われている。

　だが俺は結局……自分の存在すら認めようともせずに、揺らいでいた怜未をほっておくことができなかった。

「俺は怜未を……彼女の存在を認めようとして……」

　俺は膝の上の両手をギュッと握った。間違っていたとは思いたくない。しかし、俺のせいで今の状況があるとするのなら……。