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その恋を残して
第8章 ……終わっちゃった、ね
「――!」
俺の中に雪崩れ込んだ二人の想い。それは『夢』ではなかった――?
目の前では、怜未が虚ろな表情で俺を見ている。
「松名くんなら、その答えを導いてくれるって信じてた……」
「怜未――駄目だ!」
俺は怜未に駆け寄り、強くその肩を抱いた。
しかし、怜未は静かに首を横に振った。
「初めて蒼空の気持ちを知った時から、この日が来ることは知っていたの……」
「怜未……」
そして、怜未は俺を見上げ、ニコッと微かな笑みを浮かべる。
「蒼空のこと……お願い……ね」
それから――怜未の瞼がゆっくりと――
「怜未! 行くな!」
――――閉じて、ゆく。