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その恋を残して
第3章 私と、蒼空の秘密
「…………」
呆然とする俺。それを気遣ってか沢渡さんは、俺の肩に手を置いた。
「お二人が現在に至った経緯の御説明は以上です。後は、お二人の中で決められているルールについてですが――お聞きになられますか?」
「いえ……今、聞いても理解する自信がありません。それよりも、怜未さんと話をしてもいいでしょうか?」
やや間を置き、沢渡さんは頷く。
「二階の一番奥が、蒼空さまと怜未さまのお部屋でございます」
「ありがとうございます」
俺は沢渡さんに一礼し、階段を昇る。何と言葉をかければいいのか、わからないままに……。