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秘密の恋人
第20章 約束
5月の頭に、指輪が仕上がったと連絡を貰い、お店に行く。

こちらでお間違い御座いませんでしょうか?と箱を開けてグレーのアクセサリートレイに2つの指輪を並べて見せてくれる。指輪をそっと手に取って、眺めてみた。

リングの内側、指に触れる部分に、
《Yoshitaka & Natsumi》と入れて貰う事は決めていたのだけど、その横に、小さな青い石がひと粒ずつ、埋め込まれていた。青いといってもサファイアみたいな濃い色じゃない…薄い色のサファイアがあるかどうか知らないけど…水色の石ってアクアマリン?と思っていたら義隆さんが、

「この水色の石は標準でついているものなんですか?見積りにはなかったと思うんですが…」

と言い出した。確かに見えない部分に石を入れる意味って何なのかしら…ここのブランドの何か…とか?応対してくれた店員さんが、え?と驚いて、確認してくれる。
お店での明細にはブルーダイヤ計2石サービスと書かれていたらしく。
石はあくまでオプションで、標準ではないはずだと、店員さんが本社まで確認してくれた。

そしたら、隆行さんからのメッセージがお店に託けられていて。それを対応してくれた店員さんが知らなかったらしく、チーフマネージャーが出てきて丁寧に謝ってくれた。そこには、

『Something Blue 青いものを身に付けると幸せになるという故事にあやかって、心ばかりの親孝行です。末長くお幸せに。隆行』

と書かれていた。

驚き過ぎて店頭で涙が出そうになった。
義隆さんも、息子にこんな事されたら喧嘩なんてできないね、と笑って。
素敵な御子息ですね、と店員さんにも微笑まれた。

結婚という形ではないけれど。
義隆さんに愛され、隆行さんにも祝福されて、こんなに幸せな約束なんかない、と、心から思えた。

義隆さんも私も、翌日から指輪を嵌めて出勤したけど、会社でペアリングだと気付かれることもない。

だって一見同じデザインには見えないし、私と萩原部長を繋ぐものなんて、会社にはなにひとつないから。

独身のハズの萩原部長が指輪をしている!と女性社員の間でザワつきがあったけど、面と向かって部長のプライベートに切り込める人も居らず。指輪をつけ出したのが私と同日だなんてことに気付く人もいなかった。結局、部長にもパートナーくらい居るだろう、という結論に落ち着いたみたいだ。
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