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秘密の恋人
第21章 魅惑ノ香リ  
大学時代に仲の良かったユリから連絡があったのは、平日、火曜日の夜だった。
ユリは大学卒業後、化粧品メーカーに就職して、百貨店の美容部員なんかをしてたコだった。
大学時代はさほど派手な感じでもなく、私と大差なかったのに、就職したのが化粧品メーカーだったのも意外だったし、全然興味のないブランドだったけど、友達が居ると言うだけで百貨店の店頭を覗いたら、平凡な事務員の私なんかとは大違いの華やかな職場で、まるで別人のようなメイクで、黒いスーツでバッチリきめたユリの姿に、私とは住む世界が違ってしまったんだ、とショックを受けた。
以来、誘われるとお茶やランチくらいはしてたけど、ここ数年はそれも遠のいていた。
最近は携帯のキャリアメールを使うこともめっきり減って、専らSNS。
そうなるとアカウントを知らない友達とは自然に疎遠になって行く。
電話番号を登録してあれば繋がれたのかもしれないけど、ユリの電話番号ではアカウントは探せなかった。
年賀状だけは毎年やり取りしてたけど、今年、それにQRコードのシールが貼られていて。
菜摘とアカウント交換してなかったでしょ、私携携帯番号変えちゃったから、また連絡取れたら嬉しいな、とメッセージが添えられていた。
懐かしさにQRコードからアカウントを交換して、久しぶりに連絡をとった。
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