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秘密の恋人
第21章 魅惑ノ香リ
ランチの約束をして、久々に会ったユリは、大学時代よりは垢抜けていたけど、百貨店の店頭で見かけた時ほど派手でもなくて、なんて言うのか、ナチュラルな美人になっていた。
「ホントに久々!元気にしてた?」
「元気よ。ユリは?今も百貨店に勤めてるの?」
ユリはキョトンとした後、あ〜、とっくに辞めたわ!と手を振った。
そうなんだ、と運ばれてきたサラダを食べながら聞いた話は、大手化粧品メーカーの裏事情というか、オンナの世界のドロドロした話で。
「メイク覚えた時は、絵を描くみたいに自分の顔が変えられるってことに感動したからその道に進もうと思ったの。メイクアップアーティストとかを目指してたらまた違ったのかもしれないけど、そういうのはホラ、美容系の専門とか出た子と勝負するって思ったらなんか不利な気がするじゃない。だからメーカーに就職したのよ。でも化粧って、化けるよそおい、って書くだけあって、ホント、キツネとタヌキばっかなんだわ。お客さんに買ってもらう為に美容部員は美しくなくちゃ説得力にかける、そこまではわかるんだけどさ、その為に彼氏作ってセックスしろなんて業務命令おかしいでしょ。」
「…そ、そんな業務命令、あるの…?」
「そうよ。どんなに化粧品が進化したって所詮は紛い物なの。上から塗りたくったって浸透するのは表面だけ。中まで浸透して影響を与えるのは医薬品なのよ。だからどうやったってナカから分泌されるものには敵わないの。幸せホルモンとか、女性ホルモンとかね、やっぱ脳に影響を与えるコトで、肌本来のスペックを発揮できるのよ。社員にはそう言ってプライベートを充実させろって無茶振りしながら、そういう事実に全部蓋して、ウチの化粧品を使えばこんなにキレイになりますよ、って売り付けるわけ。詐欺じゃん、って思っちゃったらもう、美容部員なんてやってられないよね。」
「ホントに久々!元気にしてた?」
「元気よ。ユリは?今も百貨店に勤めてるの?」
ユリはキョトンとした後、あ〜、とっくに辞めたわ!と手を振った。
そうなんだ、と運ばれてきたサラダを食べながら聞いた話は、大手化粧品メーカーの裏事情というか、オンナの世界のドロドロした話で。
「メイク覚えた時は、絵を描くみたいに自分の顔が変えられるってことに感動したからその道に進もうと思ったの。メイクアップアーティストとかを目指してたらまた違ったのかもしれないけど、そういうのはホラ、美容系の専門とか出た子と勝負するって思ったらなんか不利な気がするじゃない。だからメーカーに就職したのよ。でも化粧って、化けるよそおい、って書くだけあって、ホント、キツネとタヌキばっかなんだわ。お客さんに買ってもらう為に美容部員は美しくなくちゃ説得力にかける、そこまではわかるんだけどさ、その為に彼氏作ってセックスしろなんて業務命令おかしいでしょ。」
「…そ、そんな業務命令、あるの…?」
「そうよ。どんなに化粧品が進化したって所詮は紛い物なの。上から塗りたくったって浸透するのは表面だけ。中まで浸透して影響を与えるのは医薬品なのよ。だからどうやったってナカから分泌されるものには敵わないの。幸せホルモンとか、女性ホルモンとかね、やっぱ脳に影響を与えるコトで、肌本来のスペックを発揮できるのよ。社員にはそう言ってプライベートを充実させろって無茶振りしながら、そういう事実に全部蓋して、ウチの化粧品を使えばこんなにキレイになりますよ、って売り付けるわけ。詐欺じゃん、って思っちゃったらもう、美容部員なんてやってられないよね。」