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秘密の恋人
第8章 漣ーサザナミー
「及川さんて、彼氏いる?」

何回めのデートだっただろう。
一緒に梅田で晩ご飯を食べていた時。

「…彼氏…ていうかどうかわからないけど…好きな人、はいるかな?」

「片思いってこと?」

…ちょっと違う…あれ?でも、義隆さんとの関係って…片思いなのかしら?私は、義隆さんが好きで…義隆さんは、私を受け止めて甘えさせてはくれるけど、好きだとは言われたことないし…

どう答えたらいいのか困って目をそらす。

「答えにくいような関係?」

ドキッと心臓が高鳴る。
でも。

「そんな…不倫じゃない…」

そこは、否定できた。

「そか。安心した。及川さんはそんな事しないと思ってたけど。…不倫でも片思いでもないのに彼氏でもないんだ…え?それってまさか…身体だけ、なんて…」

冗談っぽく言った巽さんだったけど、私が明らかに固まったのがわかったんだろう。

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