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秘密の恋人
第8章 漣ーサザナミー
「…え…まじか…」

「…見損なった…?」

「いや、なんて言うか…意外だけど…ま、大人だし、ね。不倫とか相手が未成年の学生とかなら問題かなとは思うけど…法に触れるわけでもないし…他人が口出しすることじゃないよね、ごめん!」

巽さんは言葉を切って、ウーロン茶を一口飲んだ。

「…でも、及川さんはその人が好きなんでしょ?だったらなんで、そんな状態に甘んじてるわけ?相手はまだ独身なだけで、実は結婚考えてる相手がいて、及川さんは2番目とか…?」

「…違う、と思う…」

「ごめんね、突っ込んだこと聞いて…でも気になって…僕の想像力が足りないだけかもしれないけどさ。好き同士、で、お互い他に本命も居なくてフリー。で、身体の関係はある。でも恋人同士じゃない、っていう関係が、イマイチ理解出来ないんだよね。そこ、1歩踏み込まないってのは、何か理由があってのこと?」

理由…?

「例えば、どっちかが、とか若しくはお互いが、恋人として付き合うのは面倒臭い、から、身体だけが気楽、とか。そういうことなの?」


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