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第9章 違和感

いつもは目覚めると隣に義隆さんが居て。義隆さんは私より先に目覚めていて。私の髪を撫でながら

「起きた？」

と優しく聞かれる。
私が起きるのを待って、義隆さんはシャワーに行く。
一緒に入ったりはしないけど、私が目覚めた瞬間、側に居てくれる。
前にどうして先にシャワーに行かないのかと聞いたら、

「菜摘の寝顔が可愛いから。見ていたいだけだよ」

と言われた。すごく恥ずかしいけど、心がほこっと温かくなった。

なのに、今朝は…目が覚めると、隣に義隆さんの姿はなく。

バスルームからシャワーの水音が聞こえる。

勝手に部屋を出て置いて帰られたわけでもないのに。
ただ、いつも居てくれる人が隣に居ない、それだけで胸がキュウッと切なく痛む。

昨日はいつもと違ったし…
義隆さん、どうしたんだろう…