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秘密の恋人
第14章 決意
考えても、結局、先のことは飽くまで可能性でしかなくて。実際その時になってみないとわからない。
義隆さんの本心だって、〜かもしれない、ってだけで、本当のところはわからない。

考えるのをやめて、私は庭園を後にした。
再び店内に戻った時、

「あれ?菜摘ちゃん?」

声をかけられた。巽さんだった。

「巽さん…」

ずっと及川さんと呼ばれてたのに、いつの間にか私の呼称が菜摘ちゃんに変わっていた…まぁ別にいいけど。

「1人?」

「はい。巽さんも?」

「うん。おかんを西北まで送ったついでにフラッと映画観てた。」

「そうなんですか。何観てたんですか?」

巽さんは、映画のタイトルを教えてくれたけど、私はその映画を知らず、特に興味もわかなかった。
まぁ、映画を観てきたと聞いたらこの返しは社交辞令みたいなものだ。
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