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きょうどうせいかつ。
第2章 しょくじかいで かんがえる。
「とは言いましても、私も少々疲れました。もしよろしければ、お話を聞いていただくのは、明日でも構いませんでしょうか?」
「まあ、私も少々疲れていたところですし、構いませんよ」
「良かった。でしたら、すぐにでもお休みくださいませ! 」
姫の言う事に流されるまま、勇者はのろのろと部屋を出て行こうとした。
「あ、そうだ。最後に一つ、お聞きしていいでしょうか?」
「はい、何でしょう?」
「あの料理、誰がお作りになられたのでしょうか?」
勇者は、姫が作ったと思っていたのだが、一応確認までに、聞いておこうと思っていたのだ。
姫は嬉しそうに頬を染め笑いながら、勇者の質問に答えた。
「魔王様でございます」
勇者は魔王をちらりと見たが、魔王は下を向いていて、表情は伺えなかった。
「そっか。うまかったよ。ありがとうな、魔王。では姫様、ゆっくりお休みください」
そういって、勇者は自分の部屋に行った。
姫は魔王の横に座って、魔王の頭を優しく撫でた。
「ですって。良かったですね。ダミアン」
勇者は分からなかったが、魔王は少しだけ、嬉しそうな表情をしていた。