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きょうどうせいかつ。
第2章 しょくじかいで かんがえる。
「分かりました」
姫は唐突に立ち上がり、勇者の元へと歩いていった。
「私が、まず勇者様を説得してみせます! 」
──分かってない、それ、分かってないから!
「姫様──」
話になりません。命を無駄になさるつもりですか。と、勇者は言おうとしたのだが、姫の言葉により、途中までしか言えなかった。
「お話! 聞いてくださいませ! お願い、いたします……」
勇者は、悲しそうに眉を下げて、上目遣いでじっと見てくる姫の目を見てしまい、はあ、とため息をついた。男ってこういう時、不利だよな。と、男の性を少し恨んだ。
「話を聞くだけですよ……」
「はい! ありがとうございます! 」
姫は、今日一番、嬉しそうな顔をして、勇者の目を見てにっこり笑った。
──俺、この顔されたら勝てないかも。
そんなことを思っているだなんて、全く気づかずに。