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第4章 ひめはまおうに ささやいた。

「では、ここに二つのサイコロがあります。二つをコップの中にいれ、コップをあげた時に、どの目が出ているか当てるゲームです」

「分かりました。やりましょう」

「では、魔王様にサイコロを振っていただきますね」

そういって魔王にサイコロとコップを渡す姫。
それにしてもどこから手に入れたのだろうか。

「では、いっきまーす」

姫のかけ声とともに、魔王は無表情でサイコロをコップの中にいれ、くるくると回した。
そして、勢い良く、机の上にコップを裏返しておく。

「二と五!」

「私は六、六で!」

六、六……。やはり何かあるのか。
勇者がそう確信し、コップの中にあるサイコロを凝視した。

魔王がゆっくりとコップをあげる──。


出てきた目は──六、六だった。

しかも、ただの六、六ではない。
一つのサイコロの目、すべてが六に変わっていたのだ。