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きょうどうせいかつ。
第4章 ひめはまおうに ささやいた。

「なっ……!」

勇者は目を丸くさせ、真剣にサイコロを観察したが、サイコロの目は、完全にすべて六に変わってしまっていた。

「失礼ながら、ズルをさせていただきました」

姫は両方のサイコロを手に取り、勇者の目の前で、もう一度転がしてみた。

出た目は六のゾロ目だった。

姫はにっこり笑った。

「こちらの、すべて六になっているサイコロは、魔王様にお願いして、コップが机の中に触れた瞬間、変えていただきました」

──これが、魔力……。

勇者は魔王を見るが、魔王の目はどこを見ているのかわからないくらい、遠い目をしていた。

「こちらのサイコロも、六が出るよう仕掛けをさせていただきました。一の目の裏に重りが張り付けてあります」

勇者は姫からイカサマをしたサイコロを受け取り、自分の手で転がしてみた。

六以外の目が出そうになると、不自然な動きで六に戻された。

そういうわけか……。

なんだか自分がバカらしくなってきた。


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