この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きょうどうせいかつ。
第10章 ゆうしゃはふたたび だまされた。
「なんで……。何で殺したりするんだよ!」
ブレットはデュークの胸ぐらを掴み、頬を強く殴った。
クリスは少し驚いていたが、デュークは特に抵抗せず、皮肉なことにベンジャミンのすぐ側に倒れた。
「こ、殺すことないだろう!」
デュークはゾンビを思わせるような、ゆっくりとした動きでその場を立ち、殴られた頬を少し押さえた。
「──なるほど、イザベラのお嬢が困るわけだ……」
「なあ?すぐ頭に血が上るやろ?」
クリスはくすくす笑っていたが、完全に頭に血が上っているブレットの神経を逆撫でした。
「人が死んだんだぞ!? どうしてそんなに冷静でいられる!?」
「……うるさい」
デュークはのろりのろりとブレットの背後まで回り、ブレットの脇腹に回し蹴りをした。
何故か、反応することができず、そのまま吹っ飛んでしまう。
「……っ」
「お前、早死にするタイプだな。少しは冷静になれ」
「人が死んで、そんなに冷静でいられる方がおかしい!」
「人が死んだくらいで、狼狽えるな。経験が浅い証拠だ」
「俺はそんな人間になりたくない……!」
はあ、と、デュークはため息をつき、ベンジャミンの側まで行き、ベンジャミンの身体を持ち上げた。
そして、頬を何度も何度もぶつ。
「それ以上、何するって言うんだよ!」
「………おい、あいつをなんとかしろ、うるさい」
「死人に何言ってんだよ!」