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きょうどうせいかつ。
第10章 ゆうしゃはふたたび だまされた。
「……そんなの自分ですればいいじゃないですか」
「めんどくさい。それにあいつは嫌いだ」
「!?」
ブレットのリアクションは少し大げさともいえるが、それも仕方ないことだ。
ベンジャミンは実際生きていて、何事もなかったように動いているのだから。
「すみませんねー。一回、ちゃんと見せとかないと、信じてくれないもんで……」
「それにしても、ものすごくうるさかった……」
「うーん……。今のは騒ぎすぎな気いするわ……。過去最高ちゃう?」
「そうっすね。でも、僕的には嬉しかったり」
「そういうもんか?」
「はい。久しぶりに生きてるって感じでした……。まあ、死にましたけど」
「それ、死人冗句のつもりやの?」
「え?駄目でしたか?」
「うーん……」
「はあ、厳しいっすね……」
「というか、あいつ、硬直しとんで……。見てや、あの顔……」
「ぶっ……!あははっ!」
「あはははははっ!うっわ……。オレ、こんなおもろい顔、初めて見たわ……」
「ぼ、僕もです……」
「筋肉とかどうなっとんねん……」
「すごい顔ですよね……」
「てか、大丈夫か?そんなにショックやったんかな?」
「さっきから全く動いてないですよね……」
「もしもーし」
「だいじょうぶっすか?──って、デュークさん!? え!? 何やって……!ああ!それ、ものすごく高い壷なんすよ!」
「……この壷から悪魔の気配がした」
「本物の悪魔が何言ってんすか!? 頭おかしくなりました!?」
「もしもーし?」
「不幸だ……」
「僕の方が不幸っすよ……」