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きょうどうせいかつ。
第1章 ゆうしゃのたびは おわらない。
姫は幼い少女のようにキラキラと目を輝かせて、勇者が言葉を紡ぐのを待った。
勇者は笑みを浮かべて、自分の歩んできた一年半を語ることにした。
姫がさらわれた後から、ここに来るまで起こった、様々な出来事を。
勇者は詳細に語った。西の町の狭間にある洞窟の中には湖があり、そこには妖精たちが宴をあげていたことや──
霧の城と呼ばれる城下町で裁判にかけられ、町の人たちに助けられたこと。
南の海には人魚がいて、その人魚の一人と恋に落ちたこと。
北にはたくさんの熊たちがいて、九死に一生を得たこと。
振り返ってみれば、本当に様々なことがあったと実感させられる。
そんな勇者の話を、姫はこくこくと頷きながら真剣に聞いていた。時折、くすくすと笑う姫を見て、勇者はちょっとした背徳間を抱いていた。
すべて語り終わった時にはすでに日がくれており、フクロウの鳴き声が外から聞こえていた。
紅茶は空になっていた。