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きょうどうせいかつ。
第11章 ひゃっかじてんは かんがえた。

それは自分にとっていいことなのだろうか。
それとも悪いことなのか、今は答えが出てこない。

あの、百科事典と名乗った二人組に聞けば何か分かるかもしれないが、それほど知りたいわけではなかったので、胸にとどめておくことにした。

「モニカお姉ちゃん……」

ふと気がつくと、ブレットの隣に、いつの間にやらセシリアが立っていた。
子供とは思えないくらい強い目力に、圧倒されてしまう。

しかし、ブレットは、そんなことよりも、セシリアの言葉が気になった。

「え?」

「……モニカお姉ちゃんに、会ったの?」

モニカ、セシリア、人魚。
ブレットの脳内がフル回転して、一つの答えを導きだす。

「モニカ……」

「会ったの?」

モニカという名前には、心当たりがありすぎた。

ブレットが旅をしていたとき、恋をした人魚の名前が、モニカだ。

「モニカって……人魚の」

「うん。セシリアのお姉ちゃん」

そんな二人の様子をこっそり観察していた百科事典は思った。
どうして昔の恋人の名前を聞いただけで、あんなに絶望的な顔をするのだろう、と。

モニカとブレットが恋をしていたことは、知識として何となく知っていた二人なのだが、というか、二人の恋路の様子、すべてを知っているのだが、そんなに気まずいことがあるとは思えなかった。

二人は目をあわせて首を傾げた。
どうして、ブレットは、あんな無表情ができるのだろう、と。

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