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過去恋
第31章 パンドラの箱
 次の日。文化祭当日。私は待っていた。

【From:和希 件:ごめん 本文:体調崩して行けないわ】

 来なかった。その夜に“大丈夫?”そうメールを送って、返事がないから電話をかけた私に

【From:和希 件:(non title) 本文:いつの間にか好きじゃなくなってた。別れよう】

 そんな残酷な言葉。ただ肯定するしかなかった。止められなかった。

 全ての言葉が嘘に変わった瞬間。

「ずっと一緒。結婚しような」

 ふざけるな。出来もしない約束をするな。信じたのに。信じてたのに! 裏切られた。裏切られたよ……。

 悔しくて悲しくて。なのに好きなのが嫌いになれないのが辛くて。

 泣いて泣いて泣き叫んだ。授業中でさえも和希を思って涙を零した。

 何も手につかないってこのことを言うんだね?

 消せないアドレス。外せないネックレス。

 それでもワガママを言ったから。私が悪い。私が悪い。私が悪いの。
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