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過去恋
第31章 パンドラの箱
 和希を責められなくて。自分を責めるしかなかった。

 誰かと付き合ってももうワガママを言うのはやめよう。いい子でいなきゃ嫌われる。

 楽しかった思い出は最後に別れの言葉で締められる。パンドラの箱に自分の思いを詰め込んだ。

 なのに、どうしてあなたは凪は簡単に私のパンドラの箱を開いてしまったの?

 ワガママは言わない。いい子でいなきゃ嫌われる。そう思いながら、凪の前では、ワガママばかりで。困らせて。

 だけどね。不思議とまた信じられたの。

 凪は裏切らない。凪も同じ痛みを知っているのだから。

「ずっと一緒。ゆらちゃんは将来の僕のお嫁さん」

 本当に、叶えてくれるから。きっと、悲しい嘘に変えてしまうことはないから。凪なら絶対にね。

 だから私の全てを凪にあげれたし、凪のためなら何でもしてあげたいって心から思える。

 18歳の春。凪は私を闇の中から救い出してくれた。
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