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さくらホテル2012号室
第7章 最初のメール


驚いた。
さすが自由業だ。確か先生は未婚だとも聞く。時間とお金に余裕のあるひとは、余暇の過ごし方もまた一味違うというのとなのだろう。


「今年は村沢さんも来たらよろしい」
「そうですねぇ。ぜひお邪魔させていただきたいですね」
そんな軽口が、まさか本当になろうとは。その時は思いもよらなかった。


それから数日の後、職場に先生からのメールが届いた。
―――――――――
先日の河津桜の話ですが、宿に問い合わせたところ、見頃は来週半ばあたりだとのことです。
駅からタクシーで十五分ほどのホテルが私の定宿です。
駅まで迎えに行きます。
村沢さんもいらっしゃいませんか?
陽の落ちる前には東京に戻れるよう、取り計います。
お昼をご一緒しましょう。


柏木
―――――――――

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