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さくらホテル2012号室
第8章 夢想する指先
という訳で、わたしの性欲が強いのかどうかは未だにわからず終(じま)いだ。
だが、一般的に言って、この歳で三日と措(お)かずに自慰をしてしまうのは、やはり普通ではないのかもしれない。
変な話ついでに言うと、わたしが自慰をするのは決まって朝だ。家族の中で家を出るのがいちばん遅いわたしはいつも、朝八時過ぎには自宅でひとりきりになる。そこからわたしの出勤時間までの四五分。朝の光のなかで、化粧台の椅子に座ってするのがわたしのお決まりだ。
本当はベッドでするのがラクでいいのだろうけど、髪が乱れるのが気になってしまうから。
時にはネットの卑猥なページを見たりしてすることもあるが、多くは自分ひとりの想像の中で自分を焚きつけて行われる。囚われて、恥ずかしい格好に拘束されて責められる。恋人に甘い言葉で意地悪されながら、無理に感じさせられる。
そんな恥ずかしいシチュエーションに興奮してしまう。