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紅蓮の月~ゆめや~
第3章 紅蓮の月 二
破瓜の痛みは帰蝶が思わず悲鳴を上げるほどのものだったけれど、その瞬間も信長は帰蝶の髪を撫でながら優しい言葉をかけた。あまりの激痛に涙さえ浮かべた帰蝶を抱きしめ、幼子をあやすように裸の背を軽くトントと叩いた。
すべての行為が終わった後、信長はもう一度帰蝶の身体に手を伸ばしてきた。だが、破瓜の際の痛みと恐怖を思い出し、夢中で首を振った帰蝶を咎めもせず、「そうか」とそれ以上無理強いをすることもしなかった。
その後、信長はあっさりと布団にひっくり返り、直に安らかな寝息を立て始めた。大の字になって眠るその様は、あまりにも無防備すぎた。帰蝶は形式上は確かに信長の妻だが、内実は人質であり、敵方から遣わされた刺客であることを何より信長こそがよく知っているはずだ。その刺客の前で、これほど何もかもをさらけ出して熟睡するとは常人の感覚では考えられない。
すべての行為が終わった後、信長はもう一度帰蝶の身体に手を伸ばしてきた。だが、破瓜の際の痛みと恐怖を思い出し、夢中で首を振った帰蝶を咎めもせず、「そうか」とそれ以上無理強いをすることもしなかった。
その後、信長はあっさりと布団にひっくり返り、直に安らかな寝息を立て始めた。大の字になって眠るその様は、あまりにも無防備すぎた。帰蝶は形式上は確かに信長の妻だが、内実は人質であり、敵方から遣わされた刺客であることを何より信長こそがよく知っているはずだ。その刺客の前で、これほど何もかもをさらけ出して熟睡するとは常人の感覚では考えられない。