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第1章 義理の姉弟

「実家に帰ってきてから、まだ一週間も立ってないから、仕方ないかな。」

結衣は、ゆったりしたバスタブで足を伸ばして、大きく息を吐いた。

ため息の原因は、弟の稔（みのる）だった。

弟と言っても、母の再婚相手の息子。
義理の弟だ。

現在高校３年生の稔は、小柄な163センチ。
色白で、天然の栗色の髪と瞳。
なかなかの美少年だ。

結衣より少し高いくらいの身長が、コンプレックスらしいが、
そこがまた、かわいらしい。

母から再婚相手の義父と共に紹介された時はまだ５歳で、
女の子かと思った。
母も稔を可愛いと思っていたが、懐いてはくれなかった。

父と会話はするが、父と母と結衣との関係が良好だったせいか、
稔は浮いているように見えた。

そんな弟をずっと気に掛けてきたが、
心を開いてくれることはなかった。