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お義姉さんは、BL義弟と彼氏のペット
第1章 義理の姉弟
そんな状態のまま、結衣は大学を卒業し、すぐに見合いをした。
父の知り合いの息子で、学歴も収入も申し分なかった。

遊びなれた軽薄な感じもあったが、
中学から私立の女子校に通っていた結衣には、刺激的で
すぐに好きになった。

そして、半年後には式をあげ、夫の父親名義のマンションで暮らし始めた。


しかし、2年もしないうちに、夫の浮気と、相手の妊娠が発覚し離婚。
実家に戻ってきたのだった。

父が県会議員であるため、結衣の離婚は地元人達に広く知られてしまった。

稔もたぶん、学校で何か言われたのだろう。

家の中で徹底的に避けられている。

食事の時間も避けられているし、
たまに半ば事故的に顔を合わせてしまうと、冷たい目で
「ブズ!」
等の辛辣な単語を発して、行ってしまう。


今夜は特に憂鬱だ。

両親が後援会の人達と、東北の遅い桜見物と温泉の旅行に出かけてしまっていない。

稔は、夕方学校から帰宅したようだが、コンビニの袋をぶら下げていた。


夕飯は結衣が作り、部屋のドアにごしに声を掛けたが返事はなく、

とうとう夕飯には手をつけてくれなかった。

「はぁー、せめてブスとか言はやめてなぁー。
傷心してる姉に、少しは優しくして欲しいんだけどなぁ。
まあ、時間はかかるかなぁ。」

肩にお湯を掛けながらひとり言をいっていると、突然脱衣所へのドアが開き、

黒のTシャツに、金で書かれたゴシック調の絵が目に飛び込んできた。
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