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第3章 ヌードデッサン教室

　バスローブを羽織った由梨花は、奇竹に続いて教室へと入る。

　そこには１０名の男性たちが、それぞれのイーゼルに向かって座っていた。

　みんな一様に目をギラつかせているようだ。



　覚悟は決めていたはずの由梨花だったが、いざこうして現場に来ると、ますます緊張してしまう。

　数日前に言葉を交わした斉藤の姿を認めたことも、由梨花の狼狽と羞恥に拍車をかけた。

　しかし、そんな由梨花の様子にはお構いなしに、奇竹が言う。

「では、バスローブをそちらのカゴに入れていただき、モデル台の上へ上がってくださいね」

「はい……」

　今さら後には引けない由梨花は、ごくりと唾を飲み込んだ後、バスローブのヒモをほどく。

　唾を飲み込んだのは由梨花だけではなかったようで、周囲を取り囲む男性陣のうちの数人もまた同じようにかすかに喉を動かしていた。