この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
剛 ing 舞依
第1章 剛と舞依
「くっそぉ~」
重たいケースを持ち上げながら呟くと薄暗い資料室に響き渡った
さっきの体育のテニスの試合
良いラリーが続いてこっちが押してたのに
最後の最後でネット際に落としやがって~
放課後の資料室の掃除を賭けるんじゃなかった
おまけに勝手に賭けたんだから責任とれって
他の奴は帰るし~
テキトーにしてバックレるか…
「伊澤くんがいてくれてよかったよ~重たいからひとりでどうしようかと思ってた」
駿河…同じクラスなんだが印象が薄くて目立たない娘だ
「お前も一人か?他の奴は?」
「それが…みんな帰っちゃって」
おとなしいから押し付けられたんだな
「俺も荷物動かしたら帰ってもいいかな?」
「え…うん、後はやっとく…」
小柄で眼鏡を掛けてる上に前髪が掛かっているので表情は分からないが、いつもこうやって受けちゃうんだろうなぁ
「…あの、伊澤くん」
「あ?」
「もうちょっと落ち着いてたら勝てたのにね」
「?」
「さっきの試合。よく見てたら間に合ってたよ」
「そっか?…確かになぁ~」
言われれば何となく分かるけどそうはできない性格なんだよな
重たいケースを持ち上げながら呟くと薄暗い資料室に響き渡った
さっきの体育のテニスの試合
良いラリーが続いてこっちが押してたのに
最後の最後でネット際に落としやがって~
放課後の資料室の掃除を賭けるんじゃなかった
おまけに勝手に賭けたんだから責任とれって
他の奴は帰るし~
テキトーにしてバックレるか…
「伊澤くんがいてくれてよかったよ~重たいからひとりでどうしようかと思ってた」
駿河…同じクラスなんだが印象が薄くて目立たない娘だ
「お前も一人か?他の奴は?」
「それが…みんな帰っちゃって」
おとなしいから押し付けられたんだな
「俺も荷物動かしたら帰ってもいいかな?」
「え…うん、後はやっとく…」
小柄で眼鏡を掛けてる上に前髪が掛かっているので表情は分からないが、いつもこうやって受けちゃうんだろうなぁ
「…あの、伊澤くん」
「あ?」
「もうちょっと落ち着いてたら勝てたのにね」
「?」
「さっきの試合。よく見てたら間に合ってたよ」
「そっか?…確かになぁ~」
言われれば何となく分かるけどそうはできない性格なんだよな