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剛 ing 舞依
第12章 DON FESTIVAL
「良い後押しだったね」
「?何が?」
「ヒロくんを本山さんに近づけたでしょ?」
「ああ、なんとなくね」
「うまくいくよ、きっと」
「そう?…まぁそんな気はしたけど」
「…二学期始まってすぐの頃かな…廊下でヒロくんが本山さんにぶつかりそうになったんだけど、壁に手を突いて『ゴメン、大丈夫か?』って、丁度壁ドン状態でさ…あの時本山さんは堕ちたのよ~」
そう言われると頭に映像が浮かぶ
「へぇーそんなことあったんだ」
「ヒロくんは全く気付いて無いみたいだけど」
「だろーな」
「剛くんだって気付いてなかったくせに!」
「そーなの?知らねーよ!」
「あの時ヒロくんを突飛ばしたのは剛くんでしょーが」
「そーだっけ?…」
さっきの映像…確かにヒロを突飛ばしているのは俺だ…この映像は舞依の記憶か…こうやってちょくちょく記憶が出てくるから自然と振る舞えるのだ
「ったく、子どもみたいなんだから~」
「でもそのお陰で恋が芽生えたんだろ?」
「そうね、今の私達も剛くんの無茶のお陰ね」
「流石は剛くん!」
「自分で言う?」
「今は舞依だもーん」
「だったらもう少し壁ドンでメロメロしてよ」
「壁ドンって付き合う前だから効くんだろ?キス以上に進んでたら意味無いよ~」
「あー惜しいことした~」
「第一自分だからな…戻ったらしてやるから楽しみにしとけよ」
「分かった」
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