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剛 ing 舞依
第14章 そして 剛 & 舞依
冷蔵庫の中を見て
豚のしょうが焼き丼を作ることにした
身体は自然に動いているけれど
頭は隣で味噌汁の出汁をとっている剛くんの事で一杯

「こうして台所に並んでいると、夫婦みたいだね」
剛くんが軽く言って笑みかけてくる
何の気なしに言ったと思うんだけど
たたでさえドキドキしているので
一瞬手元が狂って左指に包丁の刃が当たった
「あっ…」
少し間が空いて人差し指にジワーっと痛みが湧く
「あ、大丈夫か舞依!」
「ちょっと切っちゃった…」
「もぉ~何やってんだよ~」
「…だって剛くんが変なこと言うから…」
「…どれ見せて…」
剛くんは私の手を取って
血の玉が乗った指を口に含んだ
ああ~痛みなんか感じないよ~
「…ほら、血は止まったけど絆創膏貼っときな」
指から口を離して傷口を確認し
傷口にキス…
惚けてる私の鼻の頭をちょんと押して微笑む

こっちの状態バレバレで
わざとやってるように感じる…
んもぉ~イジワル~
と言うより…
あ~堪らないよ~
メロメロのトロトロのユルユルで
何を食べても味なんわからないよ…

食べた食器を流しに置いたところで
剛くんの胸にすっぽり包まれた
「…お母さんが駅に着くまで…こうしていたい」
トクントクンと脈拍の上から
剛くんの声がする
私もきゅうっと腰に腕を回す
「…朝まで…」
ドクン!剛くんの鼓動が強くなる
「え…」
「…お母さん…心配だから泊まって帰るって…」
「そ、そうなんだ…お母さんも寂しかったろうからね…」
鼓動がドクドク早くなる…
剛くんもドキドキしてるんだ…
「…剛くん…先にお風呂入ってきて…」
「え…あ…ああ………い、一緒に入るか?」
「いやぁだよぉ~恥ずかしぃ~」
剛くんの胸に顔を擦り付けて
上目遣いにチラッと見上げると
動揺してる~カワイイ~
また一昨日のお風呂での事を言うかな?
と思ったけどそんな余裕無さそう…
剛くんもドキドキのメロメロになってる

せっかくだから楽しまないと
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