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剛 ing 舞依
第14章 そして 剛 & 舞依
「あがったよ…」
リビングの明かりを消し、流しの上だけの照明で
洗い物を済ませた頃
リビングのドアから剛くんが頭をのぞけて言った
「部屋で待ってて…」
「わかった…」
剛くんが階段を上がってから
明かりを消してお風呂に向かう

いつもより念入りに身体を洗う
初めの頃は触れると気持ち良くなっていたけど
馴れたからなのか
剛くんに触られる気持ち良さを知ったからなのか
平気になってきていた

でもこれからの事を考えると
ドキドキする~
このドキドキが楽しい…

大きなバスタオルを胸の上にキッチリ巻いて
髪を乾かし
部屋へ上がると
腰にバスタオルを巻き肩にタオルをかけて
ベッドに腰掛けていた剛くんが立ち上がって来る
「…舞依」
剛くんは私の肩にそっと手を置いて見つめてくる
「…明かりを暗くして…」
恥ずかしくて視線を逸らせる
「…どうしちゃったんだよ~いまさら~」
「だって恥ずかしい…」
「…俺をドキドキさせようとしてる?」
黙って頷く
「…せっかくだからドキドキ楽しまないと…」
「…うふっ…確かに、萌える~」
「…剛くん…」
上目遣いに呼び掛ける
「…うはっ、マジカワイイんだけど…舞依…」
いつもは少女漫画やドラマを意識してか
クールめな言い方だけど
顔を真っ赤にして
ドギマギしながらの今のセリフは
素の剛くんが出てる…
こっちもキューンとなるよ~

しばらく見つめ合って

なんとなく顔が近づいて

目を閉じる


甘い唇の感触は今まで以上に
身体中をトロけさせる

上から両腕でふわりと抱きしめられる

もっと近づきたくて
剛くんの身体に腕を回して
きゅうっと抱きつく

身体が溶けてバスタオルに染み込んでいく

回した腕と肩が剛くんの身体と繋がっている
けど
身体はバスタオルから先へ進めない

もっと近づきたい


ふっと力を緩めると
剛くんの腕も緩み
唇もゆっくり離れていく
ゆっくりと目を開ける
「…」
「…」
しばし見つめ合い
二人の視線は同時にベッドへ向く
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