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剛 ing 舞依
第14章 そして 剛 & 舞依

そして

「待ちなさーい…待ちなさいったら…これっ!」
リビングを素っ裸で走り回る3歳児を追いかけるが
運動神経が良いのかひらりひらりとかわされ

床に散らばったミニカーに足を取られて
しりもちをついた
「いったーい!」
素っ裸の3歳児はこちらを指差して
ゲラゲラ笑っている
「…このぉ~もぉ許さんぞ~」
立ち上がってツカツカと歩み寄ると
素っ裸は泣きべそに変わって廊下へ向かう
「待てこの悪ガキがぁー!」
首根っこを掴もうとしたとき
3歳児がふわりと抱え上げられた
「舞依~感情的になったらダメだよ~」
廊下で待ち構えていた剛くんが
素っ裸を抱き抱えてよしよししながら言った
「だってよータケルったら裸で20分も逃げ回ってるんだぞ、いつまで経っても出掛けらんないよ」
「子ども達のために行くんでしょ?子どもが楽しくないと本末転倒よ、ねー」
「そりゃそーだけど、オモチャも片付けねーし…」
「ふふ、そういうところあなたの子どもの頃とそっくりってお母さんが言ってたわね」
「…」
「ねーねー、どうしてママって時々男みたいなしゃべり方するのー?パパも女みたいになるし、あべこべ~」
リビングの椅子に腰掛けてテーブルで頬杖をつきながら一部始終を見ていた5歳の娘が呟く
「リンちゃんは鋭いね~」
「…そうよ、昔はパパはママでママはパパだったの」
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