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剛 ing 舞依
第6章 舞依
「俺の頭だと苦労するだろ?」
教室では話しにくいので
教室移動のときに聞いてみる
と言うのも
舞依の頭はすぐに自然と答えが出てくるのだが
伊澤は眉間に皺を寄せて考えている
それでもさすがに舞依は答えを導き出すようで
分かった時にリアクションが出る
そのせいもあって当てられる事が多い
「そんなことないよ、考えて繋がるとパズルみたいで楽しいよ」
「楽しい!?」
「パズルが勝手にできたら面白くないでしょ?」
「…確かに舞依の頭は勝手に繋がっていくから楽だよなぁ~」
「楽なのと楽しいのは違うもんね」
「そうかなぁ~俺は楽な方が良い」
「楽しいけどなぁ」

渡り廊下の柱の後ろに立ち止まった



まさか

「…舞依…愛してる」
また壁ドン、顎クイ?!
って顔近過ぎ~
まだ近付いて来る?!
「…」
って、このままだと
「ち、ちょっと待った!」
「?」
「ま、まさか…キスしようとしてる?」
「ダメ?」
「やだよ~自分とキスするの~」
「えー、今は舞依じゃない」
「中身は俺だ!」
「えー」
「『えー』はこっちだ、ちゃんとしたファーストキスだぞ!」
「舞依のファーストキスは剛くんが良い」
「じ、じゃあ、だから戻ってから!」
「今でも剛と舞依のファーストキスじゃない!」
「だから、中身が反対でしょ!」
「えー、結果いっしょじゃない!」
「違うよ!」
「やだーキスしたい~」
「俺は嫌だ」
「ケチー」
「ケチとかじゃないだろー!」

舞依はどうなってんだ?
とにかく
俺は自分とキスなんて
死んでも嫌だ
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