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第4章 神様……

栞奈はバイトに明け暮れていた

悪阻に苦しみながらも、お腹が大きくなる前に……

少しでも稼ぎたかったから

家族は栞奈を支える準備を整えた

近所の誰が何を言おうとも関係ない

栞奈を護る

そんな親や兄弟に助けられ……

栞奈は感謝した

最悪、一人で産む事になるかも知れないと覚悟を決めていたから……

覚悟は決めたが……

栞奈は急に別れを告げた頼朝の事が……

気に掛かっていた

マンションは引き払った

携帯電話も解約した

だから栞奈は幾度も頼朝の実家を尋ねた

対応してくれるのは何時も頼朝の姉の絵里子だった

「絵里子姉さん、頼朝の事……知りませんか？」

この頑固さに腹が立つやら……根負けしそうだった

「知らないわよ！
貴方、頼朝と別れたんでしょ？
なら……こんなストーカーみたいな事辞めてあげて」

「………辞めます
頼朝が幸せなら……私はそれだけで良い
頼朝には大切にして貰った
本当に愛しているの……だから急に別れを言われたのは信じられないけど……
頼朝の本心なら受け止めて別れます」

本当に腹が立つ………

こうも直球ばっかり放られたら……

逃げ道がなくなるじゃない！

絵里子は「帰って！」と言い背を向けた

栞奈は帰って行った