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あいの向こう側
第10章 眺める街
『―――夜食とるぞー。』
俺は立ち上がり、
周囲の社員にそう声をかけた。





店屋ものを出前で頼むのが日課。


夜食だけは(繁忙期は別にして)皆別室にて集まって食べる。


丼を持って食べる。

『………あ、そうだ!
湯井さんてカノジョさんと別れたの?』

藍田七緒のあっけらかんとした台詞に、
俺はうどんの汁を噴いた。

『………お前、
何で知ってんだよ』
俺は口を拭きつつ訊ねる。

『えー、あの美女振ったの?』と食後のポテチを食べながら言うのは弦。



『あらー、やっぱりそうなんだ〜〜〜。
だってぇ、少し前からキラキラオーラが無いんだもん』
七緒はおいなりさん(三つ目…)をパクつきながら気の毒そうな目をする。


『キラキラオーラ……
そんなん長く無いけどなぁ(苦笑)』
俺は麺を啜った。



『忙し過ぎてですか?』
七緒が訊ねる。



俺は丼をテーブルに置いた。
『さー、どうかねぇ』


七緒がジト〜〜〜っと粘り着く目付きをした。
『………何だよ』


『そういうトコじゃないっすかぁ?
湯井さんてちょっとクールだもん』


作業を一旦停止したらしい井野尾が入ってくる。
『俺はカツ丼〜』


俺はタバコを取り出し火を点ける。
『……クールだとしてそれの何がイカンわけ』



長く会社に缶詰めになっていると、
さほど仲は良くなくても互いの情報が自然に入ってくるものだ。



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