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あいの向こう側
第10章 眺める街
俺はベッドから起き上がり、
流しで水を飲んだ。
――――紗英がこの部屋にくるなんて、
そんなことは二度と無いと分かっていたのに。
『ホントに会いたいと思っているの?!』
2ヶ月まえ、
TELをした時に紗英は叫ぶように怒鳴った。
俺は喉まで出かかった『そうに決まってるだろ』という台詞をぐっと飲み込んだ。
昔からだ。
会いたいとか、
好きだとか、
我慢できないだとか男だから言えない。
無言の俺に紗英は諦めたのだろう。
それから1週間あと、
〔今までありがとう。
さようなら〕とメッセージが届いた。
紗英も似たような激務で、デザインの仕事をしている。
ワンルームのマンションに帰るのは週3あれば多いほう。
―――………一緒に住む選択肢だってあったはずなのに。
流しで水を飲んだ。
――――紗英がこの部屋にくるなんて、
そんなことは二度と無いと分かっていたのに。
『ホントに会いたいと思っているの?!』
2ヶ月まえ、
TELをした時に紗英は叫ぶように怒鳴った。
俺は喉まで出かかった『そうに決まってるだろ』という台詞をぐっと飲み込んだ。
昔からだ。
会いたいとか、
好きだとか、
我慢できないだとか男だから言えない。
無言の俺に紗英は諦めたのだろう。
それから1週間あと、
〔今までありがとう。
さようなら〕とメッセージが届いた。
紗英も似たような激務で、デザインの仕事をしている。
ワンルームのマンションに帰るのは週3あれば多いほう。
―――………一緒に住む選択肢だってあったはずなのに。