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あいの向こう側
第10章 眺める街
さようならのメッセージのあと、

〔近く引っ越しをします。あなたも体に気をつけて、元気で〕
とあった。




俺は白いご飯に目玉焼きをのせて、
簡単にサラダを作った。

それを食べてから着替え、再び会社に向かった。




空は高く太陽が照りつける。

オフィスビルに着くまで徒歩15分。
シャツが背中に張り付いていた。


エレベーターでオフィスがある6階に上がる。


ふと思い立って6階を通り越して屋上まで上がった。

昼間の屋上。

俺は柵に凭れて座り、
ショートピースを咥えて吸う。

たゆたう煙を見上げる。

柵の下から歓声が上がって、
ビックリして飛び起きた。


柵から身を乗り出す。

遥か遠い地上では人だかりが出来ている。
「おーっ」
「わ〜〜〜」という歓声とともに、色とりどりの風船が舞い上がっていた。
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