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あいの向こう側
第11章 痣が消えない
――――その日はベッドに転がって、
ラーメン屋の話をしながら眠りについた。





明け方、
早めに起床した亜季が弁当を作ってくれている。


Tシャツとショートパンツ。

細い背中が包丁のトントンという音に合わせて揺れている。

『はよー。弁当、何?』
『いつものパターンの和風バージョン』
『梅干し入れといてよ』
『わかったー』


俺はそれを保冷バッグに入れてアパートを出た。


亜季も少し遅れてアパートを出る。

亜季は9時〜17時だから俺より2時間遅くていい。




俺は車からアパートのドアに向かって手を振った。




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